岩手県の南部に位置する「平泉町」。平安時代後期に、奥州藤原氏・初代清衡(きよひら)、二代基衡(もとひら)、三代秀衡(ひでひら)のもとで繁栄を極め、壮麗なお寺と広大な庭園が数多く造られました。
仏教の中でも、特に浄土思想の考え方に基づいて創り上げられた多様な寺院・庭園及び遺跡が、一群として良好に保存されていることから、平泉の史跡は世界遺産に登録されています。
今回は、そんな平泉の世界遺産を構成する5資産ご紹介します!

この記事の目次

中尊寺

平泉観光には外せない!国宝・重要文化財の宝庫


平泉に来たら、まず訪れたいのは「中尊寺」。平安時代に、慈覚大師円仁(じかくだいしえんにん)によって開かれたとされる古刹です。奥州藤原氏初代・清衡によって、12世紀のはじめに大規模な堂塔が建てられました。特別史跡に定められた境内には、明治時代に再建された本堂や3,000点以上の貴重な寺宝を収蔵する宝物館「讃衡蔵(さんこうぞう)」など、数多くの見どころがあります。

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中でも有名なのが、国宝の「金色堂」。学校の教科書でもお馴染みですが、実物は想像以上の美しさ! 外側も内側も金箔で覆われた金色堂には、漆の蒔絵や白く光る夜光貝を用いた螺鈿細工などの装飾が随所に施されています。内部には、阿弥陀如来坐像や地蔵菩薩像など金色の仏像が33体も安置され、宝石箱のような佇まいです。

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東北屈指の紅葉の名所としても有名な中尊寺。本堂から金色堂までの参道には、モミジがたくさん植えられ、紅葉のトンネルを散策できます。重要文化財に指定された「経蔵」の周りでは、イロハモミジが深紅に色づき、古建築と紅葉との共演も楽しめますよ。

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紅葉シーズンには、「中尊寺菊まつり」も開催されているので、ぜひ訪れてみて下さい。

中尊寺


住所

 岩手県西磐井郡平泉町平泉衣関202


営業時間

①拝観時間

・3月1日〜11月3日:8:30~17:00

・11月4日〜2月末日:8:30~16:30

※10分前に拝観券発行終了

②定休日

年中無休


利用料金

金色堂・讃衡蔵・経蔵・旧覆堂

・大人:800円

・高校生:500円

・中学生:300円

・小学生:200円


アクセス

JR平泉駅→中尊寺月見坂入口まで徒歩25分



ウェブサイト

http://www.chusonji.or.jp/

毛越寺(もうつうじ)

平安時代の貴重な浄土庭園が広がるお寺


「毛越寺(もうつうじ)」は二代・基衡と三代・秀衡の時代に多くの伽藍が造営され、かつては中尊寺をしのぐほどの規模を誇ったお寺です。度重なる災禍で、すべての建物が焼失してしまいましたが、浄土庭園と平安時代の伽藍遺構はほぼ完全な状態で保存されていることから、国の特別史跡及び特別名勝に定められています。


毛越寺の見どころは、何といっても「大泉が池」を中心とした広大な浄土庭園! 池の周りには、大小様々な石を積み上げた築山や玉石を敷き詰めた州浜などが配され、様々な自然の景観が表現されています。

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池の東北側の遣水と呼ばれる曲がりくねった水路は、平安時代の遺構で、全国的にも珍しい貴重なもの。毎年5月の第4日曜日には、遣水に盃が浮かべられ、「 曲水(ごくすい)の宴」という平安時代の優雅な歌遊びが行われます。

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花の名所としても名高い毛越寺では、初夏には300種3万株の花菖蒲、秋には約500株の萩を楽しむことができます。紅葉の名所でもあり、モミジに彩られた浄土庭園は、また格別の美しさ。これからのシーズン、紅葉狩りにもおススメなスポットです。

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毛越寺


住所

岩手県西磐井郡平泉町平泉大沢58


営業時間

8:30〜17:00

※11月5日~3月4日は8:30~16:30


利用料金

・大人:500円

・高校生:300円

・小・中学生:100円


アクセス

電車: 

JR東北本線「平泉駅」から徒歩で約11分


車:

東北自動車道「平泉前沢IC」から約10分


駐車場

あり(有料)


ウェブサイト

http://www.motsuji.or.jp/

金鶏山

美しい円錐形をした信仰の山


中尊寺と毛越寺のほぼ中間に位置する「金鶏山(きんけいさん)」は、標高98.6mの円錐形の優美な山です。「平泉を守るため雌雄一対の黄金の鶏を埋めた」という伝説が残り、山の名前の由来ともなっています。山頂には、奥州藤原氏が経塚を営み、信仰の山として崇められてきました。

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平泉にある浄土庭園のうち、毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡の3つが、神聖な山である金鶏山に焦点を合わせて造られるなど、平泉のまちづくりに重要な影響を及ぼした山です。


江戸時代には、かの松尾芭蕉も金鶏山を目にし、「秀衡が跡は田野となりて、金鶏山のみ形をのこす」と、「おくの細道」の中で奥州藤原氏の栄華を偲んでいます。


麓の登り口から山頂まで歩いて登ることもできるので、ぜひ訪れてみて下さい。

金鶏山


住所

岩手県西磐井郡平泉町平泉花立4


アクセス

電車: 

JR東北本線「平泉駅」から徒歩で約13分


ウェブサイト

http://www.hiraizumi.or.jp/archive/sightseeing/kinkei.html

無量光院跡

宇治平等院を参考に造られた寺院の跡


JR平泉駅から徒歩10分ほどの住宅地の一角に位置する「無量光院跡(むりょうこういんあと)」。12世紀後半に、三代・秀衡が宇治平等院の鳳凰堂を模して阿弥陀堂を築きました。現在は建物が失われ礎石が残るのみですが、発掘調査の結果、その規模は鳳凰堂よりもひと回り大きいものだったと推測されています。


西に金鶏山を望む広大な境内には、阿弥陀堂の前に池を中心とした広大な浄土庭園が広がっていました。お寺の正面に立つと、池の中島と阿弥陀堂が一直線に並び、春分と秋分には夕日が金鶏山に沈む極楽浄土のような景色を見ることができたとされます。かつて秀衡が眺めた浄土庭園は、現在も池を中心に復元整備が進められています。


夕日に包まれた壮大なお堂と浄土庭園。歴史ロマン溢れる無量光院跡は、想像力を働かせながら散策を楽しみたいスポットです。

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無量光院跡


住所

岩手県西磐井郡平泉町平泉字花立地内


アクセス

電車: 

JR東北本線「平泉駅」から徒歩で約9分


車:

東北自動車道「平泉前沢IC」から約5分


ウェブサイト

http://www.hiraizumi.or.jp/archive/sightseeing/muryo.html

観自在王院跡

浄土庭園が広がる公園


毛越寺に隣接する「観自在王院跡(かんじざいおういんあと)」は、二代・基衡の妻が建立した寺院の跡地です。観自在王院とは、阿弥陀堂のこと。かつては、金鶏山をバックに大阿弥陀堂や小阿弥陀堂などの堂宇が建ち並び、日本最古の庭園書「作庭記」に基づいて造られた浄土庭園が広がっていました。

 

戦国時代の火災により往時の堂塔はすべて失われ、庭園も荒廃して水田化していましたが、昭和中期から遺跡発掘調査が行われ、その結果に基づいて「舞鶴が池」を中心とした庭園と伽藍遺構の復元整備が進められました。平安時代の貴重な浄土庭園の遺構がほぼ完全な形で残り、池の周りには州浜や岩組なども再現されています。2005年には、修復が完了した庭園が「旧観自在王院庭園」として名勝に指定されました。

 

現在は史跡公園として整備されている観自在王院跡。歴史を感じながら、散策してみてはいかがでしょうか。

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観自在王院跡


住所

岩手県西磐井郡平泉町平泉志羅山102


アクセス

電車: 

JR東北本線「平泉駅」から徒歩で約9分


車:

東北自動車道「平泉前沢IC」から約10分 


ウェブサイト

http://www.hiraizumi.or.jp/archive/sightseeing/kanji.html

いかがでしたか?

今回は、岩手県平泉町の観光名所を5箇所ご紹介しました。

ご紹介した以外にも、奥州藤原氏の役所の跡「柳之御所遺跡(やなぎのごしょいせき)」、京都の清水寺を模した懸崖造りのお堂「達谷窟毘沙門堂(たっこくのいわやびしゃもんどう)」などの世界遺産関連史跡や、パネルや映像で平泉の歴史を紹介する資料館「平泉文化遺産センター」など、平泉にはたくさんの見どころがあります。

紅葉の名所も多い平泉。この秋は、世界遺産巡りと紅葉狩りにぜひ訪れてみて下さい。