早春の代表的な花といえば、梅。早咲き遅咲き、枝垂、紅白など、たくさんの種類があるのが梅の魅力です。例年2月~3月にかけて様々な梅の品種が見ごろを迎えます。今回は定番の梅林をはじめ、盆栽や樹齢300年のしだれ梅など、京都府の梅の名所を15カ所ピックアップしてご紹介します!

この記事の目次

北野天満宮

道真公が愛した梅。梅苑の開苑も


学問の神様として知られる菅原道真公を祀る神社「北野天満宮」。境内は、豊臣秀吉が北野大茶湯を催した所としても知られています。菅原道真といえば「天神さま」。道真公が梅を愛して詠んだ歌も良く知られています。本尊前の「飛梅」は、平安時代に道真公が育てていた梅の種を受け継ぐ唯一の梅とされています。


約2万坪の境内には約50種1,500本の梅があり、早咲きの梅は正月明けに初春を告げるかのように咲き始める冬至梅、照水梅、寒紅梅等などがあり、全国屈指の梅苑として、遠方から梅の季節に訪れる観光客も多数いる観梅スポットとなっています。2021年、梅苑内に苑内を一望できる舞台を設置。今までとはまた違う角度からの景色を楽しむことができるようになりました。


見頃を迎えるのは2月中旬から。3月いっぱいは梅の花を楽しむことができます。また、1月下旬から3月下旬まで「梅苑」が開苑されます。


さらに2月25日は菅公の命日にあたり、この日は「梅花祭」が斎行されます。当日は三光門前西広場にて上七軒歌舞会協賛の野点茶会も催されます。毎月25日の天神さんの縁日には宝物殿も公開されていますよ。

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京都御苑

梅から桃へ、そして桜へ。春の開花リレーも見ごたえあり


京都御苑は、京都市上京区にある国民公園。京都御所などを囲む周囲約4kmの広大な敷地です。梅林は、禁門の変で知られる蛤御門(はまぐりごもん)近くの枇杷殿跡(びわどのあと)辺りにあります。


苑内には約200本の梅の花が咲き誇り、春の訪れを感じることができる場所となっています開花は比較的早く、例年1月上旬から咲き始め、3月中旬までが見ごろ。素心蝋梅(ソシンロウバイ)、蝋梅(ロウバイ)も十数本あります。


梅の種類によって開花時期が少しずつ異なるので、開花時期が長いのも嬉しいポイントです。また、梅林の近くには桃林もあり、梅の見ごろが終わる3月中旬から花開きます。桃の木が1か所に多くある桃林は全国をみても珍しいそう。そして、同じく3月中旬からは、60本のしだれ桜の蕾もほころび始めます。梅から桃へ、そして桜へと春の花がリレーのように咲くのも京都御苑の魅力です。


歴史的遺構として価値がある閑院宮邸跡(月曜休館)、九條家ゆかりの茶室拾翠亭なども点在しているので、観梅がてら歴史散策を楽しむ春の休日を過ごすのもおすすめです。

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二条城

珍種「源平咲き分け」は必見!


二条城は徳川家康が上洛の際に、宿泊のために築いた城。3代家光が増築を行い1626年(寛永3)に現在の規模になりました。また慶応3(1867)年には、15代将軍慶喜が大政奉還を発表した場所としても知られています。


場内奥の丸御殿の南西にある梅苑は、昭和29年に植えられた事が始まりとされています。ここには1本の木に紅白の花をつける珍種「源平咲き分け(げんぺいさきわけ)」をはじめ、しだれ梅や紅梅、白梅、50種約130本が植えられ、さまざまな梅の花が楽しめます。


開花は2月中旬~3月下旬頃で、見ごろは2月下旬~3月上中旬。梅苑からは内堀や天守閣跡を望むこともできます。梅を見ながら様々な景色を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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青谷梅林

天山の山頂から梅を眺めるのもおすすめ


梅の実の生産量が、京都府で一番多い京都府城陽市。青谷梅林のルーツはいまだにはっきりとはしていませんが、後醍醐天皇の皇子宗良親王の歌に「風かよふ 綴喜の里の 梅が香を 空にへだつる 中垣ぞなき」と残されていることから鎌倉末期頃から存在するのではないかと推測されています。


江戸時代になり、淀藩より梅樹栽培の奨励を受け、ウメの植樹がされました。さらに明治33年青谷梅林保勝会が設立され、梅林の保護もスタート。今では、開花時期に約1万本の白梅が咲く広大な梅林となり、近畿の梅の名勝地としても有名になっています。


2016年には、この青谷梅林を里山の上から眺められる「天山散歩道」が完成。近くの青谷小学校の校歌にも歌われる天山の山頂からの眺望が叶った新たな名所です。少し足をのばしてみてください。


満開期には「梅まつり」も行われます。期間中は生産梅林に自由に立ち入ることができるエリアが設けられます。会場内では特産物の梅干なども販売されるので大阪や神戸など、主に近畿一円から多くの観梅客が訪れます。見て楽しむだけでなく、食べることも楽しめる梅まつりへ行きたいという方は、青谷梅林に行ってみてくださいね!

※2021年の「梅まつり」は中止になりました(2021年2月15日追記)

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松花堂庭園

2021年「梅の香かおる 松花堂庭園ライトアップ」を開催


松花堂弁当発祥の地として知られる八幡市にある松花堂庭園。約2万平方メートルもの広さの園内には、京都府の指定文化財である「松花堂」や登録文化財の「泉坊書院」などがあり、2014年には国の名勝に指定されています。


花や緑を楽しめる場所としても人気があり、40種類を超える竹や笹、300本以上もある椿、そして春には梅や桜が咲くなど、四季折々の美しい景色があります。また、庭園内には「松・竹・梅」の3つの茶室も。茶室梅隠のつくばいには水琴窟があり、美しい音色が楽しめます。


昨年春に引き続き、コロナ禍の春となった2021年。この美しい庭園で夜間のライトアップされ、予約制の夜茶会と、1夜限りの一般公開が行われます。「2021年は明るい光が差し込むように」との思いが込められた期間限定のイベントです。


詳細はこちら

一般公開は一夜限り。京都の国指定名勝「松花堂庭園」の梅の香かおるライトアップ

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梅宮大社

酒造りと子授けのご利益で知られる梅の名所


京都市右京区に鎮座する「梅宮大社」は、約1300年前に橘氏の祖・橘諸兄(たちばななのもろえ)の母、県犬養三千代(あがたいぬかいみちよ)が、一門の氏神として創建した神社です。日本最古の酒造の神として信仰を集めるほか、子授・安産の御利益でも知られています。


そんな梅宮大社は、京都屈指の梅の名所として有名なスポット!神苑という庭園を中心に境内全域に植えられた400本ほどの梅は、2月中旬~3月中旬が見ごろ。

「冬至梅」、「寒紅梅」、「大盃」、「おもいのまま」、「道しるべ」、「白牡丹」、「玉牡丹」、「加賀白梅」など、40種類ほどの梅を楽しめます。

毎年3月第1日曜日(2021年は3月7日)には「梅」と「産む」にちなみ、子宝・安産を祈願する「梅・産(うめ・うめ)祭」を開催。神酒や神苑の梅でつくった梅ジュースが無料接待されます。

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梅小路公園

梅とともにレジャーも楽しめる!


広々とした芝生広場や大型遊具、日本庭園、ビオトープなど、多彩な施設を有する「梅小路公園」。13.7haの園内には「京都水族館」や「京都鉄道博物館」などの人気観光スポットもあり、休日ともなるとたくさんのファミリーで賑わいます。


公園東南側の「梅こみち」と名付けられた梅林には、14種類約140本の梅の木が植えられ、毎年2月下旬頃から甘い香りを漂わせます。梅の一部は下京区誕生120周年を記念して植樹されたものです。


「八重寒紅」や「大盃」、「白加賀」、「冬至梅」、「寒紅梅」といった種類があり、赤や白の美しい花を見ることができますよ。

梅小路公園では毎年梅の開花にあわせて2月下旬から3月上旬に「梅まつり」を開催。2021年の開催は未定となっています(2021年2月5日現在)。


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城南宮

しだれ梅と椿の名所


「城南宮」は平安遷都の際、都の守護と国の安泰を願って創建された神社で、引越・工事・家相の心配事を取り除く「方除(ほうよけ)」のご利益で有名です。


そんな城南宮の大きな見どころが、「楽水苑」という日本庭園。趣の異なる5つのエリアからなる庭園で、そのうちの「春の山」には150本の紅白のしだれ梅をはじめ、ミツバツツジや300本の椿など春の花々が植えられています。可憐な咲き始めから満開に咲き誇る豪華絢爛な梅の花、散り際に広がる花びらの絨毯まで、移り行くしだれ梅の景色を楽しめます。


城南宮では毎年梅の時期に、「しだれ梅と椿まつり」を開催。2021年は2月18日~3月22日です。巫女により「梅が枝神楽」が奉納されるほか、美容健康と招福祈願の花守り「梅の花守り」の特別授与なども行われます。

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京都府立植物園

季節の花々を楽しめる日本最古の植物園


「京都府立植物園」は地下鉄北山駅近くにある日本最古の植物園です。総面積約24万㎡を誇る広大な園内には、日本最大級の回遊式観覧温室や広々とした芝生広場、軽食やドリンクで一息つけるカフェなど、多彩な施設が揃っています。


園内には「つばき園」や「ぼたん・しゃくやく園」、「はなしょうぶ園」など、四季折々の花々を楽しめるスポットも充実。植物園の中央付近には梅林があり、梅の名所としても知られています。観賞用の花梅(はなうめ)を中心に「楊貴妃」、「玉垣枝垂」、「玉牡丹」、「白加賀」などの珍しい種類をはじめ、約60品種100本が植えられています。


早咲き遅咲き、咲き分け、枝垂など、様々な梅が例年2月上旬頃~3月下旬頃まで咲き続けます。北山門近くのワイルドガーデンにも梅が少し植えられているので、ぜひチェックしてみて下さい。

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しょうざん庭園

ランチとお茶席が楽しめる「梅見の宴」も


京都市北区にある「しょうざんリゾート京都」は、鷹峯の山々を借景に広がる自然豊かなリゾート。3万5千坪の広大な敷地には結婚式場やレストラン、ホテルなど、多彩な施設が揃います。

一番の見どころは、北山台杉と紀州青石とを贅沢に使った回遊式の日本庭園。庭園内には清らかな紙屋川が流れ、趣ある和風建築が点在。桜や花菖蒲、あじさい、紅葉など、四季折々の植物も楽しめます。


約130本の紅梅・白梅が植えられ、梅の名所としても名高いしょうざんリゾート。毎年梅の花が咲くころにはランチとお茶席を楽しめる「梅見の宴」を開催。普段は非公開の迎賓館「峰玉亭」で舞妓さんによるお点前や接待を受けられるほか、一緒に写真を撮ることもできます。基本的には予約制のイベントなので、HP等で詳細を確認してからお出かけしてみて下さいね。

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隨心院 小野梅園

小野小町とはねずの梅で知られるお寺


京都市山科区にある「隨心院」は、正暦二年(991年)に創建された真言宗善通寺派の大本山。重要文化財に指定された快慶作の金剛薩捶(こんごうさった)坐像、書院を彩る狩野派の襖絵などが見どころです。

また、絶世の美女・小野小町の邸宅跡とされ、化粧に使ったとされる井戸や1,000通の恋文を埋めたという文塚などが残ります。


境内の一角にある「小野梅園」は梅の名所として人気のスポットで、毎年3月1日~3月31日の1ヵ月だけ特別公開されます。「はねずの梅」という遅咲きの品種を中心に200本弱の梅が植えられ、例年3月中旬が見ごろ。


”はねず”とは薄紅色のこと。3月最終の日曜日には「はねず踊り」が行われ、はねず色の着物を身にまとった少女たちが小野小町を偲ぶ唄と踊りを披露します。

※2021年は中止が決定

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大豊神社

しだれ梅の名所


「哲学の道」から徒歩数分のところにある「大豊神社」。少彦名命(すくなひこなのみこと)、応神天皇、菅原道真を併せてお祀りし、鹿ヶ谷や南禅寺一帯の産土神として古くから信仰を集めてきました。

境内にある末社には、「狛とび」や「狛さる」など、一風変わった動物像が祀られていることでも有名。大国社には珍しい「狛ねずみ」がお祀りされ、人気を集めています。


大豊神社には樹齢300年ともいわれる梅の老木があり、梅の名所として知られています。高さ4mほどのしだれ梅は遅咲きで、例年3月中旬~下旬が見ごろ。

本殿前には梅と向かい合うようにしだれ桜が植えられ、年によっては稀に梅と桜の奇跡のコラボレーションも楽しめます。

約300本の椿が植栽され、椿も楽しめる大豊神社。美しい花々を愛でに足を運んでみて下さい。

梅は気候により開花時期が変わるので、事前に確認してからの訪問がおすすめです。

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常寂光寺

盆梅展に出かけよう!


風光明媚な景色で知られ、京都でも指折りの人気観光地・嵯峨野。「常寂光寺」は小倉山の中腹にある日蓮宗のお寺で、江戸時代に大本山本圀寺十六世・日禛(にっしん)上人により開かれました。

小倉山の中腹にあり、紅葉の名所として有名です。山に沿って立ち並ぶ、重要文化財の多宝塔などの古建築も見どころ。京都市内を一望できる展望台なども設けられています。


そんな常寂光寺も、実は梅の名所!毎年2月中旬~3月中旬にかけて、大小20~30鉢ほどの梅の盆栽を展示する「盆梅展」を開催。紅白の梅が展示され、冬の境内に色を添えます。

紅葉シーズンはたくさんの人で賑わう境内も、冬は比較的静か。楚々とした美しい盆梅を眺めて、ゆったり過ごせるスポットです。

盆梅展の開催時期は梅の開花具合により、毎年変わります。問い合わせてからお出かけしてみて下さいね。

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長岡天満宮・長岡公園

学問の神様を祀る花の名所


「長岡天満宮」は学問の神様として有名な菅原道真をお祀りする神社で、春は桜やキリシマツツジ、秋は紅葉の名所として知られています。


御祭神の道真公が梅を好んだことから、境内全域に約30種類150本の梅が植えられ、梅の名所としても有名。遅咲きの品種が多く、例年3月上旬~下旬ごろに花を楽しめます。見ごろを迎える3月中旬(2019年は3月23日)には毎年「梅花祭」が開催され、お茶席などが設けられます。

※2021年の梅花祭は中止となりました。


長岡天満宮に隣接する、約20種140本の梅林が広がる長岡公園も併せて訪れたいスポット。「鴬宿梅」、「 鹿児島紅梅」、「八重寒紅梅」など、種類によって花が咲く時期が異なるため、2月中旬~3月下旬の長い期間梅の花を楽しめます。


梅のシーズン中は長岡公園旧管理棟が無料開放され、2階から梅林を一望できるので、ぜひ足を運んでみて下さい。

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生身天満宮

日本最古の天満宮


「生身(いきみ)天満宮」は、京都府南丹市にある天神山の山麓に鎮座する神社です。全国に約1200ある天満宮の中で唯一、菅原道真を生前から祀っていたことから、日本最古の天満宮ともいわれます。

「学問の神」や「仕事の神」として信仰を集めるほか、摂社の厳島神社は美人祈願のパワースポットとして知られています。


参道脇の梅園を中心に100本ほどの梅が植えられ、梅の名所として名高い生身天満宮。早咲き遅咲き、八重一重、紅白と様々な種類があり、例年2月初旬~3月下旬と長期間にわたり美しい梅の花が楽しめますよ。


毎年3月25日前後の日曜日(2021年は3月28日)には、道真公の慰霊祭「梅花祭」を開催。神事が執り行われた後、琴や三味線が奉納されるほか、お抹茶とお菓子がいただけるお茶席も設けられます。

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京都の春、まずは梅から楽しんで

今回は京都で梅を見られるおすすめスポットを15カ所ご紹介しました。

開花時期の予想が難しい桜と違い、たくさんの種類があり長い期間楽しめる梅のお花見は旅行の計画も立てやすい!ご紹介したスポットを参考に、一足早い春の訪れを感じに出かけてみて下さい。