京都市にある11の行政区の中で、最大の面積を誇る京都市右京区は、京都の桜スポットとしても人気があります。嵐山や渡月橋など、桜の季節にも一度は訪れてみたい名所も。町全体が桜色に染まる春。右京区のおすすめの桜スポットをご紹介するとともに、開花・満開情報や見頃もまとめました。
嵐山・渡月橋
あたり一面がピンク色に染まる春景色
桂川にかかる渡月橋を中心にした嵐山。古くから王朝貴族にも愛されてきた景勝地で、秋の紅葉とともに、桜の桜の名所としても知られています。開花は広沢池と大沢池堤のヤマザクラから始まり、その後、祇王寺のギオウジギジョザクラ、4月下旬は二尊院のフゲンゾウザクラが見頃を迎えます。
桜の木の数は約1500本。満開の頃には山全体が桜で埋まり、目に映る景色はピンク色の花でいっぱいに。風情と迫力を併せ持ったその景色は、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。
名所ながらいたるところがお花見スポットになるので、場所を選べば混雑を避けてのお花見も可能なのがうれしいところではないでしょうか。

桜の開花情報
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桜の見頃
3月下旬~4月下旬
桜の本数
約1,500本(ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエザクラ、シダレザクラなど)
アクセス
電車:
阪急嵐山線「嵐山駅」から徒歩で約5分
天龍寺
特別名勝の庭園を彩る桜たち
嵐電嵐山駅のすぐ近くに位置する天龍寺。足利尊氏が奈良吉野で亡くなった後醍醐天皇の菩提を弔うために創建された寺で、ユネスコ世界遺産にも登録されています。渡月橋とともに嵐山観光の定番スポットとして知られています。
一番の見どころである夢窓国師が手掛けた曹源池(そうげんち)庭園には、四季折々の花が咲き、桜の季節も華やかです。

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桜の見頃
3月下旬~4月下旬
お問い合わせ
075-881-1235
アクセス
電車:
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山駅」から徒歩で約13分
バス:
JR「京都駅」から市バスで約40分
公開時間
・3月21日〜10月20日 8:30〜17:30
利用料金
大人 500円(庭園参拝料(諸堂参拝は300円追加))
大覚寺大沢池
平安貴族も愛した庭湖を囲む桜模様
大覚寺は平安時代に嵯峨天皇の離宮として建立された真言宗大覚寺派の本山です。境内東側に広がる大沢池は、嵯峨天皇が中国の洞庭湖を模して造られた、日本最古の人工の苑泉。約1200年前の平安朝の雅な佇まいを今に伝えています。
周囲約1キロメートルの池の堤にはさまざまな木々や草花が植えられ、春には桜の開花とともに一面がピンク色に彩られます。池のまわりにはソメイヨシノやヤエザクラが、勅使門(ちょくしもん)前はシダレザクラも先、優雅な佇まいを見せてくれます。「五大堂」には水面に向かって張り出した濡れ縁・観月台があり、そこから望む桜並木も圧巻の光景です。

桜の開花情報
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桜の見頃
3月下旬~4月下旬
桜の本数
約500本
アクセス
バス:
JR東海道線ほか「京都駅」から市バス28系統で約28分「大覚寺」下車、徒歩すぐ
車:
名神高速「京都南IC」から約45分
拝観時間
9:00~17:00(受付は16時30分まで)
無休(寺内行事により内拝不可の日あり)
拝観料
・大人 500円
・小中高生 300円
仁和寺
江戸時代から愛された「御室桜」
広大な境内に優美な金堂をはじめ、二王門や五重塔などが点在する仁和寺。春には金堂前のソメイヨシノ、鐘楼前のシダレザクラなどが咲き競います。
京都随一の遅咲きとして有名な御室桜(オムロザクラ)が中門の北西、観音堂南の桜苑にまとまって約130株、境内全域をあわせると約200株あります。御室桜は、江戸時代から庶民の桜として親しまれ、数多くの和歌に詠われています。江戸時代の儒学者・貝原益軒が書いた『京城勝覧』にも、「春はこの境内の奥に八重桜多し、洛中洛外にて第一とす、吉野の山桜に対すべし、…花見る人多くして日々群衆せり…」と記されているほど。この御室桜の開花時期は4月下旬になることが多く、京都で最後の桜が見られる場所でもあります。五重塔との競演はフォトジェニックな光景です。

2021年「仁和寺 御室花まつり」開催!
昨年は新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言の発令を受けて中止となった「仁和寺 御室花まつり」ですが、今年は開催されます。
期間は3月20日(土)~5月9日(日)まで。桜の花が散った後は、濃紅色の御室ツツジや、御室もみじの新緑も楽しめます。
詳しくは仁和寺のウェブサイトをご確認ください
桜の開花情報
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桜の見頃
4月上旬~4月下旬
桜の本数
550本
アクセス
電車:
嵐電「御室仁和寺駅」から徒歩で約3分
バス:
JR「京都駅」から市バス26系統で約35分、「御室仁和寺」下車、徒歩すぐ
車:
①名神高速「京都南IC」から約40分
②名神高速「京都東IC」から約40分
拝観時間
・3月〜11月 9:00~17:00
・12月~2月 16:30
・最終受付は終了30分前
拝観料金
大人 500円
小中学生 300円
龍安寺
京都屈指の人気観光スポットであり、“虎の児渡しの庭”とも呼ばれる石庭で知られる龍安寺。多くの観光客が訪れる石庭では、春になるとピンク色のしだれ桜が油土塀を覆うように咲き誇ります。また、石庭の奥にある「桜苑」には、シダレザクラの大木があり、満開時には花々が迫りくるような迫力に。また、「鏡容池」のほとりにも桜の木が。こちらは水面を鏡にして優美な姿を映し出し、趣のあるお花見が楽しめます。
なお、龍安寺にはソメイヨシノ、ヤマザクラ、ベニシダレザクラ、ヤエザクラなど桜の種類が多く、それぞれの時期に咲き始めるため長期間桜景色を楽しめるスポットでもあります。

桜の開花情報
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桜の見頃
3月下旬~4月下旬
桜の本数
400本(ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ベニシダレザクラ、ヤエザクラ)
アクセス
バス:
①JR東海道本線ほか「京都駅」から市バス「立命館大学前」下車、徒歩で約7分
②京成電鉄「三条駅」から市バス「龍安寺前」下車すぐ
車:
名神高速「京都東IC」から約45分
拝観時間
8:00~17:00(閉門は17:30)
拝観料金
大人 500円
小中学生 300円
常照皇寺
古都の春の雅を今に伝える「京都の三ツ星桜」
常照皇寺は京都市北郊の山中に位置する、臨済宗天龍寺派の寺院です。南北朝時代に北朝初代の天皇となった光厳上皇により開山され、歴代天皇の帰依を得た皇室ゆかりの寺としても知られています。
春の境内に爛漫と咲き誇るのは3本の桜で、光厳天皇・光明天皇のお手植えで国の天然記念物でもある「九重桜」、美しさに感動した後水尾天皇が御車を返したとされ、一重と八重が一枝に咲く「御車返しの桜」、岩倉具視が御所紫宸殿より移植した「左近の桜」と、どれも歴史やストーリーがあり「京都の三ツ星桜」と称される名木たちです。
市内から車でも一時間強かかるため、満開の時期でも境内は閑静さを保ち、比較的ゆっくりと過ごせます。

桜の開花情報
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例年の桜の見頃
4月中旬
アクセス
バス:
JR東海道本線ほか「京都駅」から「周山」行きバスで約1時間20分、終点下車、京北ふるさとバスに乗り換え15分、「山国御陵前」下車、徒歩で約5分
車:
名神高速「京都東IC」から約1時間30分
拝観時間
9:00~16:00
拝観料金
志納 500円
そのほかの注意事項
※手すりのない苔むした石段を上るので、歩きやすい靴で行くのがおすすめ
※10人以上の拝観は事前にはがきでの申し込みが必要
車折神社
花のリレーが楽しめる「桜の宮」
平安時代の儒学者・清原頼業を祀る車折神社(くるまざきじんじゃ)。頼業が愛した桜の木が境内に多数植樹されており、その種類は約15種。さまざまな桜が次々に咲き誇る「桜の宮」とも呼ばれるお花見スポットになっています。
桜の開花はまだ肌寒い時期にスタート。3月に入ると早咲桜の河津桜が花開き、続いて大鳥居の先にある寒緋桜が3月中旬に見頃を迎えます。その後、ソメイヨシノなどの桜もリレーのようにほころびます。
なお、車折神社は近年はパワースポットとしても人気が高まっています。境内には「芸能神社」があり、数多くの芸能人がお忍びで参拝しているとか。玉垣には誰もが知る俳優や歌手の名前がずらりと並んでいますので、桜見物もかねてご覧になってみてください。
桜の開花情報
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※嵐山の情報をご参照ください
例年の桜の見頃
3月中旬~4月上旬
アクセス
バス:
JR「京都駅」から市バスで約35分
拝観時間
9:00~17:00
拝観料金
無料
嵐山‐高雄パークウエイ
800本の桜並木を爽快にドライブ
京都嵐山と高雄を結ぶ有料道路「嵐山―高雄パークウエイ」の沿道には約800本の桜が植えられていて春にはどこまでも続くような桜のトンネルになります。桜の時期には約5,000本“ミツバツツジ”も沿線一帯に咲き始め、沿線を鮮やかなピンク色に染め上げます。
桜とツツジ、春のピンク色に染まったパークウェイを爽快にドライブすれば、春をおもいっきり満喫できるはず。
またパークウエイ内にある、観空台遊園地やボート乗り場、ドッグラン「ワン遊ランド」でも咲き誇る桜を楽しめます。

桜の開花情報
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例年の桜の見頃
3月中旬~4月上旬
アクセス
車:
嵐山・清滝ゲート 京都南ICから約30分 / 大山崎ICから約45分
高尾ゲート 京都南ICから約30分 / 大山崎ICから約45分
営業時間
- 4月~10月 8:00~19:00(入場は18:00まで)
- 11月 8:00~20:00(入場は19:00まで)
- 12月~3月 9:00~18:00(入場は17:00まで)
通行料金
- 2輪車(125cc以下と土日祝通行不可) 850円
- 軽・普通自動車 1,200円
- マイクロバス 3,000円
- 大型バス 4,880円
京都北部の桜
細野川沿いにしだれる遅咲きの桜
京都北部府道363号線付近の細野川沿いに咲く桜は、3月下旬から4月上旬に見頃を迎えます。ドライブをしながら春の風と花を愛でたり、車を止めて散歩したりと心赴くままに桜を楽しんでみては。有名な桜のスポットではないので、混雑を避けてゆったりとお花見ができる穴場でもあります。
名所から穴場まで
嵐山などの桜の名所から、知る人ぞ知る穴場まで、様々なお花見スポットがある右京区。昨年に続き、今年も新型コロナウイルス感染症拡大防止のためイレギュラーなお花見になる点もありますので、お出かけ前に各スポットの情報をご確認ください。
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