別荘地や避暑地として人気の「軽井沢」。豊かな自然やキリスト教文化ゆかりの西洋建築とともに、個性豊かな美術館や博物館も点在する人気観光スポットです。今回は軽井沢のミュージアムを11カ所ご紹介します。
この記事の目次
軽井沢ニューアートミュージアム
総ガラス張りの明るい館内で、現代アートを
「軽井沢ニューアートミュージアム」は、商業施設をリニューアルして2012年にオープンした美術館です。企画展では国内・海外で活躍する現代アート作家の作品を、斬新な切り口で展開。また、前衛作家の作品も積極的に展示しています。
白亜の柱がそびえるガラス張りの建築も見どころで、これは建築家・西森陸雄氏によるもの。柱は白樺の木をイメージし、さわやかで明るい雰囲気に包まれています。

さらに、敷地内には建築家・隅研吾氏によるチャペルも。チャペルの前には現代美術作家・ジャン=ミシェル オトニエル氏が手掛けたハートのオブジェ「こころの門」もあり、美術館ウエディングの開催も可能です。

住所
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢1151-5
開館時間
11:00~17:00(2021年5月1日時点)
通常:10:00~17:00
※ 7~9月 は18:00まで開館
休館日
月曜(月曜が祝日の場合、翌平日が休館)
※8月は無休
入館料
■美術館2階企画展スペース
一般 1200円
電子チケット(前売)1名1000円/2名1900円
※電子チケットは利用日の前日まで購入可能。
高・大生/65歳以上 900円
小・中学生 600円
※ミュージアムショップ・ギャラリーは入場無料(フリースペース)
ウェブサイト
軽井沢千住博美術館
アートと建築、どちらも見どころ満載
ヴェネツィア ビエンナーレ絵画部門で東洋人として初めて名誉賞を受賞した、日本画家・千住博(せんじゅ ひろし)。
「軽井沢千住博美術館」は、代表作「ウォーターフォール」をはじめ、初期〜最新作まで千住博の作品を展示・収蔵するミュージアムです。
アート作品とともに、世界的建築家・西沢立衛(にしざわ りゅうえ)設計の建物も大きな見どころ。
ガラス張りの館内は自然光が降り注ぎ、明るく開放的な雰囲気。床はもともとの土地の起伏を生かし、まるで森の中を歩いているような気分を味わえます。
さらに、約3,000㎡の敷地には150種類以上ものカラーリーフプランツを植栽。季節ごとに様々な木々や花を楽しむことできるほか、軽井沢の老舗ベーカリー「ブランジェ浅野屋」のパンを味わえるカフェなども。軽井沢の心地よい気候の中、アートと建築、そしておいしいパンも味わって、のんした時間を過ごせるスポットです。

住所
長野県北佐久郡軽井沢町長倉2141−236 軽井沢千住博美術館
アクセス
電車:
①JR北陸新幹線・信越本線・しなの鉄道しなの鉄道線「軽井沢駅」からタクシーで約10分
②しなの鉄道しなの鉄道線「中軽井沢駅」からタクシーで約5分
車:
上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」から約15分
駐車場
有り
営業時間
①営業時間
・3月上旬~12月下旬
・9:30~17:00
②休業日
・火曜(但し、祝日の場合とGW、7〜9月は開館)
利用料金
・一般 1,500円
・学生 1,000円
・中学生以下 無料
ウェブサイト
セゾン現代美術館
巨匠から若手まで現代美術をコレクション
"緑の中の美術館"というコンセプトのもとに建てられた「セゾン現代美術館」。
数寄屋造りのような建物は、日本を代表する建築家・菊竹清訓の設計によるものです。
館内にはマン・レイやアンディ・ウォーホルといった有名アーティストや現在活躍中の若手作家まで、国内外の現代美術作品を収集・展示しています。展示物の中には、「地獄の首都 No.1」という廃材を利用して造られた巨大なアート作品も。一日に数回、アートが奏でる不思議な音楽を聴くこともできます。
セゾン現代美術館は、エントランスに広がる庭園も大きな見どころ。イサム・ノグチや若林奮(わかばやし いさむ)などの彫刻作品が点在し、森の中を散策しながらアートに親しむこともできます。
芸術や自然、旅行など、様々なジャンルの書籍を取り揃えたブックカフェ「カフェ・ヤマアラシ」も併設。気に入った本とともにコーヒーや食事を楽しみ、静かな時間を過ごしてみては。
住所
長野県北佐久郡軽井沢町長倉芹ケ沢2140
アクセス
電車:
しなの鉄道「中軽井沢駅」から徒歩で約39分
バス:
しなの鉄道中軽井沢駅、またはJR長野新幹線軽井沢駅から草津温泉行のバス利用、軽井沢千ヶ滝温泉入口下車徒歩7分
駐車場
あり(30台)
開館時間
4月中旬~11月下旬(詳細はHP参照) ※冬季休業
開館時間:10:00 ~ 18:00 (4月 – 10月)、10:00 ~ 17:00 (11月)
最終入館は閉館30分前まで休館日:木曜日(祝日は開館)、展示替期間、但し8月無休
利用料金
一般1500円
大高生1000円
中小生500円
ウェブサイト
軽井沢現代美術館
ドリンクサービス付で現代アートを楽しめる!
2008年にオープンした「軽井沢現代美術館」は、東京・神保町の海画廊が運営する美術館です。美術館の入館料に、ドリンクとお菓子のサービスが含まれているのが特徴。アート鑑賞とともに、カフェコーナーで紅茶やリンゴジュースを楽しめます。
開放的な雰囲気の館内では“海を渡った画家たち”をテーマに、草間彌生や奈良美智、白髪一雄など、海外で高い評価を得ている日本人アーティストの作品を収蔵・展示。また、テーマを絞った企画展も開催されています。
展示作家の版画作品や彫刻等を購入できるギャラリーも併設。また、ミュージアムショップでは、来館の記念になるようなアートグッズや幅広いアーティスト書籍を販売しています。
住所
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉2052-2
アクセス
電車:
JR 軽井沢駅北口より町内循環バス「中軽井沢駅」行き乗車、「図書館前」下車 徒歩5分
開館時間
10:00〜17:00
休館日
火曜日・水曜日 (GW及び、夏期は無休開館)
2021年は4月28日まで冬季休館
利用料金
・大人 1,000円
・65歳以上&大高生 800円
・中小生 500円
・未就学児 無料
※入館料にお茶・お菓子のサービス含む
※障害者手帳をお持ちの方はご本人と付添いの方1名まで無料
ウェブサイト
ペイネ美術館
恋人たちを描いたハートウォームな作品がいっぱい!
塩沢湖の湖畔に広がる「軽井沢タリアセン」。ボート乗り場やレストラン、イングリッシュローズ・ガーデンなどからなる総合的リゾート施設です。
その一角にある「ペイネ美術館」は、フランスの画家レイモン・ペイネの作品を展示するミュージアム。
ペイネの代表作は、寄り添う恋人たちを描いた「ペイネの恋人たち」シリーズ。柔らかなタッチのペイネの作品は、世界中で愛されてきました。
館内には原画やリトグラフ、愛用の画材などが展示されているほか、入口には恋人たちをモチーフにした彫像も飾られています。
美術館の建物は、旧帝国ホテル建設時に来日したチェコ出身の建築家・アントニン・レーモンドが建てた「軽井沢・夏の家」と呼ばれるアトリエ兼別荘を移築したもの。歴史ある建物は、軽井沢の貴重な文化遺産の一つになっています。

住所
長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉217
アクセス
電車:
しなの鉄道しなの鉄道線中軽井沢駅よりタクシーで8分
車:
碓氷軽井沢ICより20分
駐車場
180台 普通車500円
開館時間
9:00~17:00
休館日
2021年9/1(水)
利用料金
大人(高校生以上) 1,000円
小人(小学生以上) 500円
軽井沢高原文庫、深沢紅子野の花美術館とのセット券/大人:1600円 小人:800円
ウェブサイト
軽井沢絵本の森美術館
絵本の世界に浸れるミュージアム
「軽井沢絵本の森美術館」は、ミュージアム・パーク「ムーゼの森」の一角に位置する絵本専門の美術館です。
メイン施設である第一展示館には、絵本の歴史と文化について学べるコーナーやピーターラビットシリーズを紹介する「ピーターラビット ひみつの部屋」を常設展示。
第二展示館では、季節ごとに多彩なテーマで展覧会を開催されています。
英国人ランドスケープデザイナーが手がけた「ピクチャレスク・ガーデン」も、美術館の大きな見どころ。原生植物を中心とした自然豊かな庭園は、その名の通り“絵画のような” 美しい景色を楽しめます。
また、ピーターラビットをはじめとした絵本のキャラクターグッズを購入できるミュージアムショップ、洋書を中心とした1,800冊を超える絵本が閲覧できる図書館も。子どもも楽しく過ごせるミュージアムです。

住所
長野県北佐久郡軽井沢町長倉193−3
アクセス
電車:
しなの鉄道しなの鉄道線「中軽井沢駅」からタクシーで約8分
車:
上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」から約20分
駐車場
有り
営業時間
①営業時間:
3〜11月 9:30〜17:00
12・1月 10:00〜16:00
最終入館は閉館時間の30分前
※2021年5月は緊急事態宣言延長のため時短開館。5月12日~31日は16時閉館となります
②休業日:
・毎週火曜日
・展示入替期間、冬季(1月中旬~2月末)
・GW期間中および7月〜9月は無休
・12月・1月の休館日は要確認
利用料金
大人 950円
中高生 600円
小学生 450円
ウェブサイト
エルツおもちゃ博物館
大人も楽しめるおもちゃがいっぱい!
「エルツおもちゃ博物館」は軽井沢絵本の森美術館とともに、ムーゼの森にあるミュージアムです。ドイツ・ザクセン州ザイフェン村立エルツ地方のおもちゃ博物館の姉妹館として、1998年にオープンしました。
くるみ割り人形やパイプ人形など、エルツ地方の職人たちが300年以上継承してきた伝統的木工工芸のほか、ヨーロッパを中心とする知育玩具などを展示。また、年に2~3回の企画展も開催され、テーマごとに様々なおもちゃを紹介しています。実際に木のおもちゃや知育玩具で遊べる体験コーナーもあり、大人から子どもまで楽しめます。
無料エリアには、「木のおもちゃのお店」というショップも併設。大小様々なくるみ割り人形、パイプ人形、クリスマスピラミッドなど、インテリアやプレゼントにぴったりなおもちゃを購入できます。

住所
長野県北佐久郡軽井沢町長倉193−3 エルツおもちゃ博物館・軽井沢
アクセス
電車:
JR北陸新幹線・信越本線・しなの鉄道しなの鉄道線「軽井沢駅」からタクシーで20分
車:
碓氷軽井沢ICから車で20分
駐車場
有り
開館時間
- 3〜4月 9:30〜16:00
- 5~10月 10:00〜17:00
最終入館は閉館時間の30分前
※2021年5月は緊急事態宣言延長のため時短開館。5月12日~31日は16時閉館となります
休館日
・毎週火曜日
・展示入替期間、冬季(1月中旬~2月末)
・GW期間中および7月〜9月は無休
・12月・1月の休館日は要確認
利用料金
大人 750円
中高生 500円
小学生 350円
軽井沢絵本の森美術館/ピクチャレスク・ガーデンとの2館共通セット券の場合
大人 1,400円
中高生 900円
小学生 650円
ウェブサイト
室生犀星記念館
苔の庭園が美しい文学者の別荘
多くの有名作家や詩人に愛された軽井沢。自然や風土に魅せられた文化人たちは山荘を建て、毎年のように軽井沢を訪れました。この地を舞台とした作品も数多く生まれ、町内にはたくさんのに文学碑が残されています。
大正から昭和にかけて活躍した文学者・室生犀星も軽井沢をこよなく愛した人物の一人。この「室生犀星記念館」は、昭和6年から亡くなる前年まで彼が過ごした旧居を記念館として無料で公開している施設です。この別荘は堀辰雄、川端康成、志賀直哉など、多くの作家との交流の場となりました。
喧騒から離れた森の中に佇む記念館は、静かで落ち着いた雰囲気。建物の中には入れないものの、書斎や座敷などは外から見学することができます。また、犀星自ら苔を植えて造った庭園も見どころ。一面に青々とした苔の絨毯が広がる庭は、一見の価値があります。
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため2021年5月12日(水)から6月13日(日)まで休館

住所
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢(大字)979−3 室生犀星記念館
アクセス
電車:
JR「軽井沢駅」から徒歩で約30分
バス:
JR「軽井沢駅」からバスで約4分
車:
上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」から約30分
開館時間
①開館時間
・4月29日~11月3日
・9:00~17:00(入館は16:30まで)
②休館日
12月29日~1月3日
展示替え期間:2021年7月3日(土)~7月9日(金)
2021年7月から火曜定休
※新型コロナウイルス感染拡大防止のため2021年5月12日(水)から6月13日(日)まで休館中
観覧料金
一般 310円
高校生以下 無料
65歳以上・障害者手帳をお持ちの方およびその介護人 210円(祝日は無料)
ウェブサイト
堀辰雄文学記念館
「風立ちぬ」の世界に浸れるミュージアム
「堀辰雄」は昭和初期に活躍した、日本を代表する小説家です。19歳の時に初めて来て以来、毎年のように軽井沢を訪れ、芥川龍之介や室生犀星らと親交を深めました。ジブリ映画の原作ともなった代表作「風立ちぬ」など、軽井沢を舞台にした著書も多数あります。
昭和19年からはこの地に定住。「堀辰雄文学記念館」は、晩年を過ごした住居や貴重な資料を保存・展示する記念館です。
資料館には原稿や書簡、遺愛の品々が常設展示され、堀辰雄の生涯と文学の背景を知ることができます。愛用の机や椅子、電気スタンドなどをそのまま残す住居や、亡くなる10日前に完成した書庫なども見どころ。書庫の完成を楽しみにしていた堀辰雄は本の並べ方までこだわり、妻に指示していたといいます。
落ち着いた雰囲気が魅力の堀辰雄文学記念館。文学好きな方には特におすすめのスポットです。

住所
長野県北佐久郡軽井沢町大字追分662
アクセス
電車:
しなの鉄道しなの鉄道線「信濃追分駅」からタクシーで8分
車:
上信越自動車道「碓氷軽井沢IC」から35分
開館時間
9:00~17:00 (入館は16:30まで)
休館日:
・水曜日(水曜日が祝日の場合は開館)
・年末年始(12/28~1/4)※7月15日~10月31日は無休
利用料金
大人 400円
子ども 200円
※乳幼児は無料
※身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を保持する方とその介添者(1名)は手帳提示により無料
※追分宿郷土館と共通
ウェブサイト
https://www.town.karuizawa.lg.jp/www/genre/1000100000048/index.html
追分宿郷土館
宿場町の歴史を学べるミュージアム
「追分宿」は中山道と新潟県へと通じる北国街道の分岐点に位置した宿場町で、江戸時代に交通の要所として栄えました。
「追分宿郷土館」は、追分宿と軽井沢町西地区の歴史や文化を紹介する博物館です。
旅籠を模して造られた館内には、茶屋・問屋などの生活用品や宿場のジオラマ、古文書などの資料が展示されているほか、軽井沢の伝承民謡「追分節」が聴けるコーナーなども。宿場と地域の歴史について分かりやすく学べます。
また、夏休みと春休みには、はた織りやかご作り、万華鏡作り、七宝焼き製作といった小・中学生を対象とした体験講座を開催。 ほかにも、企画展やサマーコンサートといったイベントも開催されているので、HPをチェックしてお出かけしてみて下さい。

住所
長野県北佐久郡軽井沢町追分1155−8
アクセス
電車:
しなの鉄道しなの鉄道線信濃追分駅からタクシーで8分
車:
碓氷軽井沢ICから車で35分
営業時間
営業 9:00~17:00
休業日:
・水曜日(水曜日が祝日の場合は開館)
・年末年始(12月28日~1月4日) ※7月15日~10月31日は無休
利用料金
大人400円(団体300円)
子ども200円(団体150円)
※堀辰雄文学記念館と共通
ウェブサイト
田崎美術館
山岳画家・田崎廣助の作品と建築家・原広司の建物が見どころ
文化勲章受賞の画家・田崎廣助。福岡県八女市生まれの田崎氏は「山岳画家」と称され、阿蘇山をはじめ、浅間山、富士山など日本各地の山を絵画に残しました。昭和41年から軽井沢三笠にアトリエを持ち、第二の故郷と愛した軽井沢でも多くの作品を描きました。
「田崎美術館」は、「阿蘇山」「朱富士」「浅間山」といった油絵の大作や水彩画などを収蔵する美術館。パレットや筆、油壺などの愛用品、文化勲章を受章したときのゆかりの品々等も展示されています。
また、京都駅や梅田スカイビルを手掛けた建築家・原広司の設計による建物も見どころ。積乱雲形の屋根や木々や陽射しのモチーフなど、軽井沢の自然を取り入れた独特のデザインで、1986年日本建築学会賞を受賞しています。

住所
長野県北佐久郡軽井沢町長倉2141−279 田崎美術館
アクセス
電車:
しなの鉄道しなの鉄道線中軽井沢駅からタクシーで10分
車:
碓氷軽井沢ICから車で35分
駐車場
普通乗用車20台
開館時間
5月~9月 10:00~17:00
10月~11月 10:30~16:30
※入館は閉館の30分前まで
休館日
水曜日
※臨時休館あり
※冬季長期休業あり
入館料金
一 般 900円
高校生 700円
小・中学生 400円
未就学児 無料
※大学生は学生証提示で700円に
※障がい者(障がい者手帳提示で本人のみ)半額
ウェブサイト
心地よい気候の軽井沢で、アート鑑賞を
今回は軽井沢の美術館・博物館を11カ所ご紹介しました。
文学者の別荘や邸宅を公開する記念館、現代アートを楽しめる美術館、郷土の歴史を学べる資料館など、軽井沢には見ごたえがあるミュージアムがいろいろ!
雪深い冬は閉館している施設も多いですが、春の訪れとともに美術館や博物館も営業を再開。軽井沢で過ごす休日は、アート巡りに出かけてみてはいかがでしょうか。