東京都文京区にある本郷三丁目駅。東京メトロ丸ノ内線と都営大江戸線が乗り入れる好アクセスなこの駅の周辺には、かの東京大学をはじめ、歴史館や博物館といった知的スポットがたくさん。特に、本郷三丁目の楽しみといえば、日本の文豪ゆかりのスポット。すきま時間にふらっと訪れて文学に触れる、そんな本郷三丁目の歩き方をご紹介します!

この記事の目次

文豪にちなんだ銘菓が揃う。創業60年の老舗和菓子店

東京メトロ丸ノ内線本郷三丁目駅から、国道245号を渡り1本入ると、早速文豪の街を感じる和菓子屋さんを発見。

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こちらの「御菓子司 喜久月」さんは、創業60年を超える老舗和菓子店。店内には創業当時から使っているレジが置かれ、古き良き時代を感じさせます。このお店の入り口には、こんなお品書きが。

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文人スイーツとして並ぶ3つは、夏目漱石にちなんだ「そうせき」、樋口一葉の「おぼろ月」、森鴎外の「雁」。いずれも文京区にゆかりのある文人ですね。


「そうせき」は、夏目漱石の好物だったピーナッツを求肥に練りこんだもっちりとしたお菓子。樋口一葉の作品から名付けられた「おぼろ月」は、ふわっとした黄色の生地で白あんを挟み、グラニュウー糖製の蜜でコーテンングした表面はまさにおぼろげな月のよう。そして「雁」は、表面に2羽の雁を形どった寒天があしらわれた練り切り。訪れたら1つは食べてみたい、文豪の街・本郷三丁目らしいラインナップです。

閑静な住宅街に伸びる、情緒あふれる坂道たち

喜久月さんを過ぎてそのまま進んでいくと、「本妙寺坂」があります。江戸時代に、江戸の大半を焼き尽くした明暦の大火の火元、本妙寺に向かって下る坂だったことから本妙寺坂。

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十字路の手前で左に入ると、本郷三丁目の一番の見所、「菊坂」です。この周辺、スマートフォンの地図アプリで見てみると、『銀河鉄道の夜』を書いた宮沢賢治、

アイヌ語研究で有名な言語学者・金田一京助などの偉人たちの旧居跡が密集。ついテンションが上がりますが、たくさんの方が住んでいる住宅地なので、静かに進みます。

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アットホームな雰囲気でもてなす小さな喫茶店

菊坂を進んでいくと、左手にレトロな雰囲気が漂う喫茶店がありました。「お休み処 ひとは」さん。

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まるで里帰りしたような気持ちになるアットホームな店内。おかみさんに話を聞くと、元はご主人が子供の頃に住んでいた家だとか。今は娘さんご夫婦が住んでいるそうで、お孫さんのエレクトーンや赤い自転車が置いてあったり、常連さんがくれたという置物が飾られていたりと、ほっこりとするエピソード満載。

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注文したのは、人気の「さくらセット」(700円・税込)。ミニあんみつとホットコーヒーのセットです。ミニとはいえ、散策のひと休みには十分なボリューム!口の広いカップから、コーヒーのいい香りが立ち上ります。

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いただいてみると、その美味しさに頬が緩みました。コーヒーは、爽やかな後味で飲みやすく、しかし軽すぎない。一杯ずつていねいに淹れてくれます。そして、あんみつ。寒天、小豆あん、求肥に加えて、桃、みかん、あんずといったフルーツも入っていて、味と食感の変化を一口ごとに楽しみながらいただけます。

狭い路地裏に佇む、樋口一葉が使っていた井戸

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お店を出ると、入るときには気付かなかった看板がありました。すぐ近くに樋口一葉の使っていた井戸があるそう。言われるがまま、2つ目の電柱を左に入ってみると、ありました。

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こちらも当然、近隣に住む方々の迷惑にならないよう、興奮を抑えながら撮影。明治時代の井戸が、100年以上の時を超えて残されていることに驚きです。

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近くにある階段を登り、細い道を抜けて菊坂に戻れます。

江戸時代の町家造りが残る、樋口一葉ゆかりの質店

さらに進むと、樋口一葉が生活に困るたびに通った質屋、「旧伊勢屋質店」がありました。こちらは平成27年に学校法人跡見学園が取得、保存。現在、文京区指定有形文化財に指定されています。土日限定(年末年始、大学の行事日程等を除く)で、館内を無料で見て回ることができ、ボランティアの方々が詳しい解説もしてくれるそう。

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建物自体は、江戸時代の町家の造りが継承されていて、出格子や屋根瓦などにその特徴がみられます。中は撮影禁止ですが、特別に写真をお借りできました。

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ここは、見世(店)の部分。質物帳簿なども置いてあり、当時の雰囲気を感じさせます。

登録有形文化財指定。昭和初期の趣きを残す旅館

旧伊勢屋質店を後にし、なんとなく大通りの方に向かって歩いていると、突如現れた風情ある建物。

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「鳳明館」さんは、都心では珍しい純和風旅館。本館は、平成12年に登録有形文化財に指定されています。通りで、歴史を感じる建築です。

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道を挟んで隣には、台町別館。

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本館から5分ほど歩いたところには、森川別館があります。

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いずれも旅行・宿泊サイトで上位のお宿。昭和初期の雰囲気や、歴史的な価値を満喫できると人気です。館内の階段や部屋のしつらえはもちろん、室内に備わる今では見かけることの減ったダイヤル式の電話や、映画に出てきそうなレトロな鏡台なども見どころ。5000円代からプランがあるので、この建築目当てに宿泊するのもいいかもしれませんね。

結び

樋口一葉をはじめ、名だたる文人たちの名残がある本郷三丁目。東京、新宿、池袋などの主要駅から電車で1本、御茶ノ水や水道橋から徒歩圏内という好アクセスも魅力です。ご紹介したスポットは1時間ほどで回れるので、少し時間が空いたときにはぜひ辿ってみてくださいね。