東京都墨田区にある両国駅。国技館や江戸東京博物館など、日本らしさを味わえるスポットが多く、毎日、国内外からたくさんの人が訪れています。そんな両国には、フォトジェニックなスポットや、楽しく芸術に触れられる施設があります。短時間でも楽しめる、両国駅周辺の素敵なスポットをご紹介します。
自然豊かな都会のオアシス。趣きあふれる日本庭園
JR両国駅西口から徒歩5分のところにある「旧安田庭園」は、元禄年間に築造された庭園です。無料で開放されており、仕事で疲れたビジネスマンや近隣に住む方々の憩いの場でもあります。

こちらが案内板。

かつては隅田川の水を引き、潮の干満に合わせて水位が変わる様を楽しむ汐入回遊式庭園として整備されていましたが、今では人工的に潮入が再現されているそう。その潮入を囲むように散策路がぐるっと配されています。

都会のビル群の中に、こんなに安らぐスポットがあるとは。時間がゆっくりと流れます。潮入をのぞいてみると、鯉や亀がいました。

旧安田庭園には、たくさんの植物があるので、季節ごとに違った顔が見られます。今回の取材は2月でしたが、私が昨年5月に訪れたときには、ツツジが満開でした。自然を眺めながらほっとひと息つきたいときにおすすめのスポットです。

全長248mに及ぶ、超巨大トリックアート!
今度は両国駅の反対側を歩いてみました。すると、高架下に目を引くトリックアートを発見。よく見ると、ずっと先まで続いています。

これは株式会社エス・デーの創業者剣重和宗によって1991年に作られた作品。「街が明るく整備され、住む人の心を和ませる」ようにと、手がけたそう。その全長、248mというから驚きです。

飛ぶ鳥や子どものモチーフから、そのポジティブなメッセージを感じます。一瞬本物の人間かと見紛うリアルさで、インパクトも大。

さすが両国、おすもうさんもいます。

描かれている人物たちも、まるでこの街の住人のように見えてきます。子供たちの笑い声や、「これ何かな?」「どこに行くの?」なんて会話も聞こえてきそうです。
北斎ブームの火付け役!?美術館ですみだが生んだ絵師を知る
ウォールアートを見ながら高架下を歩いていくと、「すみだ北斎美術館」に到着。この美術館は、2016年11月の開館以来、近年ブームの兆しを見せている日本人絵師・葛飾北斎の作品や生き方、技法などを発信しています。というのも、北斎は90年の生涯のほとんどを墨田区で過ごした、生粋のすみだ人。ちょっと時間に余裕があるときには、ぜひ訪れたいスポットの一つです。

近未来を思わせる、スタイリッシュな外観。手間にある公園は、子どもたちで賑わっていました。
中に入り、まずは4階の常設展へ。真っ暗な空間に、北斎の作品がスポットライを浴びて浮かんでいます。まるで宇宙船のようなかっこよさ!ちなみに常設展は、フラッシュをたかなければ撮影OK。一部、撮影禁止の作品もあるのでご注意を。

北斎の約70年にわたる絵師人生の中で生まれた名画の中でも、特にファンの多い錦絵『冨嶽三十六景』。モニタでは、作品の解説が見られます。


クスッと笑える絵手本や、北斎漫画も展示。

常設展の最後には、北斎とその娘・応為の蝋人形が展示されています。この北斎、数秒ごとにカクンッと動くので、びっくりしている来館者もいました(笑)。

4階と3階にまたがって企画展示もされています。この時は、美を切り口に、美人画や当時の女性のおしゃれにフォーカスした「Hokusai Beauty ~華やぐ江戸の女たち~」が開催中でした。

日本画と聞くと、とっつきにくい印象を受けるという人もいますが、現代の私たちにも馴染みのあるテーマで紹介されると楽しく見て回れますよね。デートで訪れている若いカップルの姿もちらほら。一人でゆっくり満喫している人も多くいました。

3階のホワイエには、休憩スペースもあるのがうれしいポイント。じっくり見て回ったら疲れた・・・なんて時は、座ってひと息つけます。展示やイベントに使われることもあるそう。
最後にはもちろん、ミュージアムショップのチェックもお忘れなく。北斎や浮世絵に関する小物やお菓子、すみだ北斎美術館限定のアイテムもあるので、お土産にも喜ばれるはず!

結び
JR両国駅から徒歩10分以内に、魅力的なスポットが山ほどあります。空き時間の長さや、その時の気分に合わせて行き先を選ぶといいでしょう。2020年に向けて、これからどんどん両国駅の見どころが増えるかもしれません。ぜひチェックしてみてくださいね。