日本を代表する建築家、隈研吾氏。土地の環境や文化に溶け込むことを目指した「負ける建築」「自然な建築」など独自の理念や、木材などの日本古来の素材を活かした「和」のデザインが特徴的です。そんな隈研吾氏の代表的な建築作品を5か所ご紹介します。
この記事の目次
根津美術館【東京】
日本庭園に溶け込む「和」の美術館

根津美術館は東京・港区の南青山にあります。日本と東洋の古美術品が収蔵されており、中には国宝や重要文化財なども含まれています。根津美術館の敷地内には、庭園やミュージアムショップ、カフェなどもあります。
建物は、2009年に隈研吾氏よってリニューアルオープンされ、本館と併設されている「NEZUCAFÉ」の設計を手掛けています。和風家屋のような大きな屋根が特徴の建築作品で、周囲の日本庭園に溶け込んでいるようなデザインです。
代表的な見所の一つは、正門からのアプローチ「竹の回廊」。軒下の空間を使った、竹に囲まれた長く伸びるアプローチは「和」の雰囲気を感じるデザインになってます。

根津美術館
【営業時間】
10:00〜17:00(入館は16:30まで)
【定休日】
月曜(祝日の場合は開館、翌火曜が休館)、展示替期間、年末年始
【料金】
①特別展
大人1,500円、高・大学生1,200円、小・中学生以下は無料
②企画展
大人1,300円、高・大学生1,000円、小・中学生以下は無料
【アクセス】
電車:
銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道駅」から徒歩約10分
バス:
渋88南「青山6丁目」下車から徒歩約5分
【webサイト】
浅草文化観光センター【東京】
浅草の町並みが持つ界隈性を垂直化

浅草文化観光センターは、浅草雷門前にある台東区の観光案内所です。「探せる・見せる・支える」をコンセプトに、4か国語での案内対応や無料Wi-Fi、AC電源など、旅行者に嬉しいサービスを提供しています。8階は展望テラスとして開放されており、東京スカイツリーや浅草のまちを眺めることができます。
建築作品としての特徴は、隈研吾氏は浅草という土地に残る界隈性の垂直化を試みており、7つの伝統的木造住宅を積み重ねたような形の建物で、今までにはなかった新しい断面にしていること。また、屋根と上階の床の間の空間に設備を納めているため、天井の高さを最大化しているのも特筆すべき点です。
浅草文化観光センター
【営業時間】
9:00~20:00 B1F、8F展望テラス
9:00~18:00 1〜3F、6~7F
9:00~17:00 4〜5F
10:00~18:00 8F喫茶室(アサクサ ミハラシカフェ)
11:00~18:00 1Fチケット販売
【アクセス】
電車:
①東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)「浅草駅」から徒歩約5分
②銀座線「浅草駅」(出口2)から徒歩約1分
③都営浅草線「 浅草駅」(A4出口)から徒歩約2分
④つくばエクスプレス「 浅草駅」(A1出口)から徒歩約10分
【webサイト】
http://www.city.taito.lg.jp/index/bunka_kanko/oyakudachi/kankocenter/
アコメヤ トウキョウ イン ラカグ(AKOMEYA TOKYO in la kagū)【東京】
旧倉庫を活かしたリノベーションデザイン

東京・神楽坂にある、アコメヤ トウキョウ イン ラカグ(AKOMEYA TOKYO in la kagū)は、新潮社の旧倉庫をリノベーションしてオープンした「衣食住+知」をコンセプトとした、ファッション・生活雑貨・書籍・家具・カフェなどが楽しめるキュレーションストア「 la kagū(ラカグ)」が2019年に業態変更して誕生。
隈研吾氏による外観デザインとしては、50年前に建てられた倉庫の面影を残しつつ地域のシンボルともいえる「坂」をイメージし、ウッドデッキと2階へつながる大階段が設置されているのが代表的な特徴です。
内観デザインは、昭和40年代に建てられた本の倉庫をあえて再利用し、ミニマルな空間となっています。

アコメヤ トウキョウ イン ラカグ(AKOMEYA TOKYO in la kagū
【営業時間】
11:00~20:30
厨房:お昼の時間 11:00~15:30 / 夜の時間 17:30~22:00
茶屋:8:00~22:00
Shiratama Salon 新三郎:11:00~20:30
【アクセス】
電車:
①東西線「神楽坂駅」2番出口から徒歩で約1分
②大江戸線「牛込神楽坂駅」A1出口から徒歩で約7分
③JR「飯田橋駅」から徒歩で約12分
【webサイト】
サニーヒルズ南青山店【東京】
伝統的な組木格子「地獄組み」を用いた存在感のある外観デザイン

サニーヒルズ(微熱山丘)は、台湾の代表的なパイナップルケーキ専門店です。シンガポール、上海、香港にも店舗があり世界的に話題になっており、国内1号店が南青山にオープンしました。
3階建ての店舗で、1階がギフトやお土産販売スペース、2階はパイナップルケーキが楽しめる「おもてなしスペース」。台湾式のおもてなしとともに、日常からはなれゆったりとした時間が堪能できます。
隈研吾氏が設計したこの建築作品の外観はひときわ目を引くデザインで、ヒノキの角材に覆われています。地獄組みと呼ばれる伝統的な組木格子を熟練の職人の手で一本ずつ立体的に組み上げて作られています。
内観は、細かく交差する木組みの隙間から木漏れ日やヒノキの独特の香りを感じることができて、森の中に迷い込んだかのような空間になっています。

サニーヒルズ南青山店
【営業時間】
11:00〜19:00
【アクセス】
電車:
「表参道駅」A4出口より徒歩で約7分
【webサイト】
スターバックス コーヒー 太宰府天満宮表参道店【福岡】
木のぬくもりとコーヒーの香りに包まれた空間

福岡県の太宰府天満宮の表参道にある「スターバックスコーヒー」です。スターバックスは日本国内に多数の店舗がありますが、中でも「太宰府天満宮表参道店」は、特別おしゃれなスタバとして注目されています。
隈研吾氏が「自然素材による伝統と現代の融合」というコンセプトをもとに設計した建築作品で、店舗の入口から店内にかけて、伝統的な木組み構造を用いた特徴あるデザインになっています。木のぬくもりとコーヒーの香りに包まれた贅沢な時間を楽しむことができます。

スターバックス コーヒー 太宰府天満宮表参道店
【営業時間】
8:00~20:00
【アクセス】
電車:
西鉄太宰府線「太宰府駅」より徒歩で約4分
【webサイト】
http://www.starbucks.co.jp/store/search/detail.php?id=1058&mode=concept
いかがでしたか?
今回は日本を代表する建築家「隈研吾」が手がけた国内にある建築作品を5つご紹介しました。どれも木材などの素材を活かた「和」のデザインや、周囲の環境を活かした設計を感じることができる建築だったと思います。
隈研吾氏が設計した建築を実際に見に行って、どう感じるのか確かめてみるのもオススメです。