映画『男はつらいよ』の舞台として有名な葛飾・柴又。主人公の「フーテンの寅」さんはシニア世代から絶大な人気を誇りますが、最近は“若者の寅さん離れ”なんて言われるほど。映画を観たことがないどころか、ほとんど知らない人も多いのだとか。でも、寅さん映画らしい温かい世界観や人情はこの街のあちこちに残っています。まずは、観光気分で歩いてみませんか?

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とらや

京成線「柴又駅」の改札を抜けると、駅前広場にはフーテンの寅さんと、見送る妹の「さくら」さんの像がお出迎えしてくれます。少し歩くとすぐに帝釈天に至る賑やかな参道に入ります。通りの左右に川魚料理やお団子など、参拝客相手のお店が続きます。

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その中の1軒が、和菓子店の『とらや』です。よもぎのみずみずしい香りが魅力の「草だんご」が名物ですが、なんといっても「寅さん」の実家のお店として実際の映画のロケで使われたことで知られています。中で食事もできる店内には、撮影当時の姿をとどめる階段が見られたりと、ファンにはとてもうれしい“聖地となっています。

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帝釈天題経寺(柴又帝釈天)

参道を抜けると、立派で荘厳な山門が出迎えてくれます。“柴又帝釈天”と呼ばれて親しまれていますが、正式名称は経栄山題経寺(きょうえいざん だいきょうじ)。帝釈天は日蓮宗の寺院です。

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境内は、左手に鐘楼堂、正面には帝釈堂、本堂となっています。履物を脱いで帝釈堂に上がると彫刻ギャラリーがあり、すばらしい彫刻を間近に見ることができます。


裏手にある回廊式の「邃渓園(すいけいえん)」も見事な庭園、彫刻ギャラリーと邃渓園の共通拝観料は大人400円です。参拝後に境内を取り巻く玉垣を眺めていたらスゴイの見つけちゃいました。渥美清というお名前が……そのほかにも有名人のお名前がありましたよ。

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ちなみに、寅さんは「帝釈天で産湯を使い…」という口上(自己紹介)をしています。

葛飾柴又寅さん記念館&山田洋次ミュージアム

寅さんをよく知らない、という人でも、エンタメ感覚で「寅さん記念館」にちょっと寄ってみませんか? 舞台となった柴又の風情、寅さんを取り巻く個性的な面々とヒロインたちを知るにつれ、柴又への愛着がわいてくるはずです。

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そして、「寅さん記念館」に併設して「山田洋次ミュージアム」があります。山田洋次氏は寅さん映画を撮った監督。「家族」をテーマに多くの名作を世に送り出し続ける名匠です。

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入館料は両館共通で大人500円です。映画『男はつらいよ』の寅さんワールドに触れ、山田洋次氏の人柄に触れ、奥深い世界に引き込まれること間違いなしです。

山本亭

「寅さん記念館」の近くに、都選定歴史建造物の「山本亭」があります。こちらは、書院造りと洋風建築を融合した近代和風建築。

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地元ゆかりの実業家の故・山本栄之助氏のご自宅が一般公開されています。純和風の書院庭園は日本だけでなく海外でも高く評価され、日本庭園ランキングでは例年トップクラスに選ばれています。

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敷地内の随所に見どころがあり、趣きある和室にゆっくりと腰を下してお抹茶やぜんざいなどの喫茶メニューをいただくことができます。


入館料は100円(お得な寅さん記念館とのセット券あり)です。

矢切の渡し

江戸川の河川敷には整備されたサイクリングロードがあります。江戸川のサイクリングロードなので、通称“江戸サイ”とも。


広大な野球場、金町浄水場のレトロな取水塔などもあり、のどかな水辺の景色が楽しめます。そして、なんといっても江戸川を渡る「矢切の渡し」。こちらは、都内に残る唯一の渡し船として現役で活躍しています。

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運賃は中学生以上片道200円・所要時間はほんの2、3分ですが、江戸時代初期から続く伝統ある渡し船を体験することができます。対岸の松戸市矢切は小説『野菊の墓』(伊藤左千夫)の舞台。散策用につくられた“野菊のこみち”もあります。