静岡県の中部に位置する「焼津市」。マグロ・カツオの水揚げ量が全国位1を誇る、駿河湾に面した漁港の町として有名です。豊かな魚介類に恵まれ、高草山や花沢山といった山間部では昔ながらの自然風景が残っています。今回は、そんな静岡県焼津市の観光名所を5箇所ご紹介。絶景を望めるスポットから、焼津市の歴史・文化、海の幸を楽しめるスポットまで盛りだくさんでお届けします!
大崩海岸
恐ろしくも美しい、焼津市と静岡市を結ぶ約4kmの断崖絶壁
焼津市と静岡市の境目にある断崖絶壁。
駿河湾沿いに「大崩海岸」が約4km続いています。その名の通り、落石や崖崩れが多発した場所として恐れられている一方で、駿河湾越しの絶景を観られるスポットとしても有名です。
大崩海岸に平坦な部分は一切なし。
砂浜を歩くことはできないので、曲がりくねった県道416号線を走ることになります。鋭く削れ落ちた斜面には、こちらを飲み込みそうな勢いで打ち上げる波しぶき。スリルを味わいながのドライブとなるでしょう。
トンネルを抜けた先には、海上に建てられた「石辺せきべ海上橋」。大崩海岸を大きく迂回するように作られた全長300mの海上道路です。駿河湾に迫り出しているおかげで、道路上からは富士山、伊豆半島などを望むこともできます。
とはいえ、運転中は落ち着いて景色を楽しめませんよね。
そんなときは、道路沿いに点在する喫茶店に立ち寄ってみてください。駿河湾の大海原を望みながら、ゆっくりとティータイムなんていかがでしょうか。

【お問い合わせ】
054-626-6266
【利用料金】
無料
【アクセス】
電車:
JR焼津駅から徒歩35分
車:
東名高速道路焼津ICから20分
【ウェブサイト】
花沢の里
奈良時代の東海道に佇む、昔ながらの景観を残す山村集落
静岡市の小坂と焼津市の花沢を結ぶ日本坂峠。
その山腹周辺にあるのが、昔ながらの山村集落「花沢の里」です。
今は昔、険しい道のりから交通の難所として知られていた高草山。
そのなかを通っていた日本坂峠は、奈良時代に使われていた古代の東海道といわれています。その当時からひっそりと暮らしの営みを続けているのが花沢の里です。
戦国時代や江戸時代の書物にも花沢の記録が残存。
軒並み続く長屋や家屋の姿形はほとんど変わらないと考えられており、2014年には、集落全体が国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
花沢集落では、昔から自然環境を利用して生活を送っていました。
江戸時代には和紙の原料「コウゾ」「ミツマタ」、桐油を採取できる「アブラギ」などを栽培。明治時代にはお茶の栽培や養蚕、昭和時代には「ミカン」の栽培が盛んとなります。戦後のミカンは「黄金のダイヤ」と呼ばれるほど高価なものだったため、花沢集落の主産業となりました。その影響もあって、家々の敷地内にはミカンの貯蔵庫や選別所を併設されています。
日本坂峠の山道はハイキングコースとしても人気。
花沢の里の昔ながらの景観に癒されることでしょう。また、土日祝日のみ営業している古民家カフェもあるので、自然を満喫しながらゆったりとしたひと時を過ごせますよ。

【お問い合わせ】
054-626-6266
【利用料金】
無料
【アクセス】
電車:
JR焼津駅から、タクシーで約10分。
車:
東名高速道路焼津ICから12分
【駐車場】
有り
無料駐車場一般車50台
【ウェブサイト】
大覚寺全珠院
千年の幸福を祈って造られた、日本最大の千手観音像
曹洞宗の寺院「大覚寺全珠院」。
真言宗大覚寺が開創したあと、曹洞宗全珠院に改められられました。
境内に鎮座するのは、日本一の大きさを誇る千手観音像。
平成15年(2003)、「千年続く幸福を祈るため、千年続く仏像を作りたい」という願いを持って本尊が作り直されました。樹齢300〜400年の木曽ヒノキを使って造仏。古来の技法や漆塗り、手打ちの金箔保護などが施されれています。
像高4.2m、仏頭1.8m、見上げると7m近い高さを誇る仏像。正式名を「千手千眼観世音菩薩」と呼び、人々のあらゆる願いを聞き、悩みから救ってくれるといわれています。また、両脇の脇手に持っているのは、人々の願いを叶える道具(持物)。大願を成就する法力があるといわれており、大仏様の優しい微笑みも相まって、身心が洗われる気持ちになることでしょう。
拝観は無料。焼津千手大観音御分身お守りはお土産に人気。また、和尚が行う観音様にまつわる説法や解説もおすすめですよ。

【お問い合わせ】
054-628-1811
【営業時間】
9:00~16:30
拝観年中無休
【利用料金】
拝観料無料
【アクセス】
電車:
JR焼津駅から徒歩35分
車:
東名高速道路焼津ICから3分
【駐車場】
有り
無料駐車場有、大型バス6台
【ウェブサイト】
焼津小泉八雲記念館
焼津の海を心から愛した、文豪・小泉八雲の半生に触れる
明治時代に名を馳せた文豪・小泉八雲。
静岡県焼津市をこよなく愛したことから、「焼津小泉八雲記念館」が建てられています。
小泉八雲、元の名を、ラフカディオ・ハーン。
ギリシャに生まれ、アメリカに渡ったあとに新聞記者となりました。明治17年(1884)、ニューオーリンズで開かれた万国産業綿花博覧会を訪れ、そこで初めて日本の心に触れることとなります。その後、日本に移住。明治29年(1896)、45歳のときに日本国籍を取得して「小泉八雲」と名乗るようになります。
そんな小泉八雲が、はじめて焼津に訪れたのは明治30年(1897)。
その後、この世を去るまでに6回も焼津で夏を過ごしたと記録されています。
焼津小泉八雲記念館には、彼の面影を感じられる展示物が多数。
半生を描いたパネル開設、焼津で購入したといわれる煙管、愛用していた望遠鏡やコップのほか、直筆の書簡や小説の草稿も展示。また、家族を連れて焼津を訪れたこともあり、当時の情景が描かれたスケッチも観ることができます。
小泉八雲がどのような部分に好感を抱いていたのか。
記念館を訪ねると、焼津市の違った魅力にも気付けるかもしれません。

【お問い合わせ】
054-620-0022
【営業時間】
9:00~17:00
【定休日】
月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替期間
【利用料金】
無料
【アクセス】
電車:
JR焼津駅から徒歩25分
バス:
しずてつジャストライン焼津大島線「JR焼津駅前」乗車、「JA焼津支店」下車徒歩10分
車:
東名高速道路焼津ICから6分
【駐車場】
有り
無料駐車場
【ウェブサイト】
焼津さかなセンター
駿河湾が育む、焼津市の海の幸を心ゆくまで堪能
焼津港、小川港、大井川港など、駿河湾から水揚げされた海産物が集結する「焼津さかなセンター」。産地卸売市場としての側面だけでなく、約50店を超える店舗では新鮮な魚介類を堪能することができます。
まずご紹介しておきたいお店は、「寿司・海鮮丼 山水」。
自分の好きな丼を選び、好きなだけネタをトッピング。オリジナルの海鮮丼を食べられるとして人気を集めています。季節によって種類は変わりますが、漁獲量日本一のマグロ・カツオのほか、桜エビ、しらすなど、豊富なラインナップの中から贅沢に選べますよ。
そのほか、季節の鮮魚、水産加工品、珍味などのお店がずらり。一般のスーパーでは見ることのできない、珍しいご当地食品もお目にかかれます。活気ある卸内場の雰囲気を楽しみながら、焼津旅行のお土産を選んでみてはいかがでしょうか。
焼津さかなセンターはアクセスがとっても便利!
東名高速道路「焼津IC」を下りてすぐの場所にあります。600台収容の駐車場もあり。ちょっとした小旅行気分で焼津市に足を伸ばしたときにもおすすめですよ。

【お問い合わせ】
054-628-1137
【営業時間】
9:00~17:00
年中無休(元旦を除く)、施設点検のための臨時休業あり。
【アクセス】
電車:
JR焼津駅から徒歩30分
車:
東名高速道路焼津ICから1分
【駐車場】
有り
無料駐車場一般車600台、バス25台
【ウェブサイト】
いかがでしたか?
今回は、静岡県焼津市の観光名所を5箇所ご紹介しました。
駿河湾を観て楽しむ、食べて楽しむスポットのほか、焼津市の雄大な自然や歴史・文化に触れられるスポットもあり、有意義な旅のひとときを過ごせることでしょう。文豪・小泉八雲に倣って、今年は焼津市で暑い夏を過ごしてみてはいかがでしょうか。