東京23区の北西部に位置し、人口56万人を擁する板橋区。生活都市としての側面もありながら、区内には有形・無形の文化財が今も数多くあり、観光にもおすすめのスポットとなっています。今回は東京都板橋区のスポットの中から、おすすめ観光・名所をピックアップしてご紹介します!
乗蓮寺(東京大仏)
日本で3番目の大きさを誇る青銅製の大仏
板橋区赤塚にある浄土宗の寺院、乗蓮寺。応永年間(1394年〜1427年)に創建され、天正19年(1591年)に徳川家康から朱印地を与えられて以来、代々徳川将軍家から朱印状を与えられている由緒あるお寺です。八代将軍・徳川吉宗が鷹狩りをする際に雨宿りしたことをきっかけに、将軍家の休憩所にもなり、境内のいたるところでは徳川家の家紋「三つ葉葵」を見つけることができます。
乗蓮寺の最大の見どころは、寺院の異称にもなっている「東京大仏」。東京大空襲、関東大震災などの悲惨な戦災・震災が起きないように願いを込めて、昭和52年(1977年)に建立されました。青銅製で高さは12.5メートル、重さは32トンあり、青銅製の鋳造大仏としては、奈良の大仏、鎌倉の大仏に次ぐ日本で3番目の大きさを誇る大仏です。
境内にはそのほか、日本人としては初めてエベレスト登頂を果たした植村直己の墓や、当時の惨状を今に伝える天保飢饉の供養塔などを見ることができます。また、「がまんの鬼」や「奪衣婆」など、境内のあちこちにあるユニークな石像も見どころの一つ。東京大仏だけでなく、境内をぐるりと回って探検を楽しんでみましょう。

乗蓮寺(東京大仏)
住所
東京都板橋区赤塚5丁目28
アクセス
電車:
・東武東上線「下赤塚駅」から徒歩で約25分
・都営三田線「西高島平駅」から徒歩で約20分
ウェブサイト
赤塚植物園
四季折々の草花を楽しめる、赤塚の丘陵地を活かして作られた植物園
板橋区赤塚にある「赤塚植物園」は、武蔵野の面影を色濃く残す赤塚の丘陵地を活かして作られた植物園です。自然や植物がより身近なものとして親しむことができるような施設として1981年(昭和56年)に開園しました。約1ヘクタールの敷地内には約600種の樹木・草花・山野草が植えられ、四季折々の植物の表情を楽しむことができます。
園内は「本園」と「万葉・薬用園」からなり、「本園」は四季の道、野草の道、香りの散歩道、針葉樹の森などのゾーン、「万葉・薬用園」には、万葉集に詠まれた植物や薬用植物が植えられています。案内板には万葉集の歌が書かれているので、植物と合わせて楽しく学べるようになっています。
最大の見どころは、板橋区の花であるニリンソウ(二輪草)。ニリンソウは白い花を2輪ずつ咲かせる春の花で、桜が咲く頃から2週間くらいが見ごろです。都市化による樹林の減少とともに数が少なくなり、平成22年版「東京都の保護上重要な野生生物種」リストでは、ニリンソウが区部における準絶滅危惧種にリストアップされています。ニリンソウが見頃を迎える3月下旬から4月上旬には様々なイベントも開催され、多くの人が訪れます。

赤塚植物園
住所
東京都板橋区赤塚5丁目17−14
営業時間
9:00〜16:30(12月は16:00まで)
休園日
12月29日〜1月4日(年末年始)
料金
入園無料
アクセス
電車:
・東武東上線「成増駅」または「下赤塚駅」から徒歩で16分
・都営三田線「西高島平駅」から徒歩で約20分
バス:
国際興業バス「赤塚八丁目」または「区立美術館」下車、徒歩約5分
ウェブサイト
松月院
板橋十景にも選ばれた由緒ある寺院
板橋区赤塚にある曹洞宗の寺院、松月院(しょうげついん)は、古くから当地に存在していた宝持寺を、延徳4年(1492年)房総に勢力を持っていた武将・千葉自胤(ちば よりたね)が自身の菩提寺として定め、土地を寄進し、松月院と名を改めさせたのが始まりであるといわれています。江戸時代には徳川家康に認められ、寺領40石を与えられた朱印寺で、他歴代の将軍からも保護を受け発展しました。
また、幕末には砲術家として名高い高島秋帆が天保12年(1841年)に近隣の徳丸ケ原(現在の高島平付近)で西洋式の砲術訓練を行い、本陣がこの松月院に置かれました。これを顕彰し、大正11年(1922)に建立された顕彰碑が今も境内にあります。
境内にある宝物館(有料)には、千葉氏寄進状・徳川家朱印状など多数の由緒ある文化財が保存されています。こちらもぜひ併せて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

松月院
住所
東京都板橋区赤塚8丁目4−9
アクセス
電車:
東武東上線「下赤塚駅」から徒歩で約17分
バス:
国際興業バス「赤塚八丁目」下車、徒歩約1分
ウェブサイト
縁切榎
悪縁を断ち、良縁を結んでくれる「縁切りスポット」
板橋区本町に立つ、「縁切榎(えんきりえのき)」と呼ばれる一本の木。もともとは大六天神のご神木でしたが、江戸時代から知られる「縁切り」のスポットで、嫁入りの際には縁が短くなることをおそれ、その下を通らなかったと言われています。皇女和宮が降嫁の際には、縁起が悪いと迂回路まで作られたほどだとか。先代の榎は火事で焼失、二代目は遷座のため伐採され、現在の縁切榎は三代目ですが、先代の一部は石碑に埋め込まれ、敷地内に安置されています。
もともと庶民の間では「悪縁は切ってくれるが良縁は結んでくれる」と礼拝の対象となっていた縁切榎。「縁」というと男女の縁が一番先に思い浮かびますが、「縁切り」は難病との縁切りや、断酒にもご利益があるそう。全国から参拝者が訪れ、境内には縁切りの願いが書かれた絵馬がびっしりとかかっています。断ち切りたい「縁」がある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

縁切榎
住所
東京都板橋区本町18
アクセス
電車:
都営三田線「板橋本町駅」から徒歩で約5分
ウェブサイト
浮間公園
風車が映える、水と緑に囲まれた公園
浮間公園はJR埼京線の浮間舟渡駅の駅前にあります。浮間公園は多くの緑に囲まれており、敷地の約4割が浮間ヶ池です。池畔には公園のシンボルとして設置された風車が映え、多くの自然や緑に囲まれた運動施設もあり、じゃぶじゃぶ池など各遊び場からは楽しそうな子供達の声が聞こえてきます。
この辺りはもともと荒川の本流で、昭和初期に大改修し、築堤により残った部分が浮間ヶ池の原形となっています。浮間ヶ池の面積は約4ha、水深2.5mで、現在は釣り地として全面無料で解放されています。30cm程度のへラブナを中心に、コイなど川魚が多く生息しており、一年中釣り人が絶えません。また、水辺の公園だけに水鳥の姿が多く、バードウォッチングにも人気のスポットになっています。
浮間ヶ池沿いには約200本の桜が植えられており、春には約180mの桜並木を楽しむことができます。桜と浮間ヶ池と風車を一緒に眺めることができるのは浮間公園ならでは。毎年桜が見頃の時期には「舟渡さくらまつり」が開催されます。

浮間公園
住所
東京都板橋区舟渡2丁目15−1
アクセス
電車:
JR埼京線「浮間舟渡駅」から徒歩で約1分
バス:
国際興業バス「浮間舟渡」下車、徒歩約1分
ウェブサイト
いかがでしたか?
今回は東京都板橋区のおすすめ観光スポットをご紹介しました。
東京で3番目に大きな青銅製の大仏が見られる「乗蓮寺」、準絶滅危惧種のニリンソウが咲く「赤塚植物園」、悪縁を断って良縁を結んでもらえる「縁切榎」など、板橋区にはこの地域ならではの観光・名所がたくさんあります。歴史探訪に、または自然散策に、ぜひ板橋区を訪れてみませんか。