中心を流れる菊川が由来である「静岡県菊川市」。掛川市や御前崎市を含む「東遠(とうえん)地方」の一部にある都市で、昔からお茶の産地として知られています。菊川市の魅力といえば、長閑な時間と自然に包まれていること。北側には「火剣山」、東側には「牧之原台地」、西側には「小笠山」に囲まれ、ゆっくりと過ごせる場所が点在しています。今回は、そんな静岡県菊川市の観光名所を5箇所ご紹介します!
黒田家代官屋敷資料館
今川氏、徳川氏に仕えた黒田家の代官屋敷跡
その昔、菊川市周辺は今川氏が支配していました。
その家来だったのが黒田氏で、今川氏の滅亡後、徳川氏に仕えることに。黒田義則が永禄年間に築いたとされるのが、後に「黒田家代官屋敷」となる屋敷でした。
黒田家が歴史の表舞台に再び登場するのは、江戸時代に入ってから。
もともと、旗本であった本多氏が菊川市周辺を支配していましたが、正保2年(1645)のときに黒田家が代官に任命されます。黒岳代官屋敷は、その時の趣をそのままに残しており、昭和48年(1973)には重要文化財に指定されている貴重な歴史的建造物です。
約1万平方メートルの広大な敷地内には、稲荷社や神社などもみられます。
南北約100m、東西約80mの宅地は濠で囲まれており、中世期の城館の面影を感じられるはず。江戸時代に活躍した黒田家の足跡を見つけてみてはいかがでしょうか。
また、黒田家代官屋敷の一部は資料館にもなっています。
黒田家が所蔵してる鎧兜や武具のほか、暮らしぶりをうかがえる陶磁器、調度品などを展示。敷地内には美しい梅の木が植栽されており、開花シーズンになると「代官屋敷梅まつり」も開催されています。

【お問い合わせ】
0537-73-7270(資料館受付)
【営業時間】
10:00〜16:00
※梅祭り期間中:9:00〜16:00
【定休日】
月曜日と祝祭日の翌日、年末年始
※梅祭り期間中:無休
【利用料金】
150円(中学生以下、市内在住者は無料)
【アクセス】
電車:
①JR「掛川駅」からタクシーで25分
②JR「菊川駅」から静鉄ジャストライン「平田本町」下車、徒歩5分
車:
東名高速道路「菊川IC」から県道37号(掛川浜岡線)を5.5kmの平田本町を右折、新川橋を渡り、100m先に黒田家代官屋敷
【駐車場】
有り
30台
【ウェブサイト】
http://www.city.kikugawa.shizuoka.jp/shakaikyouiku/kurodake_2.html
【その他】
代官屋敷梅まつり
毎年2月上旬〜3月上旬
横地城跡
平安時代から戦国時代にかけて奮った、名族の城跡
菊川市東横地にある「横地城跡」。室町時代初期、周辺を支配していた横地氏によって築城され、別名「金寿城」とも呼ばれています。
起源は、遡ること平安時代末期。源氏の系統だった名族・横地氏が力をつけ、横地周辺を支配していました。その後、駿河守護である今川義忠に仕えるものの、遠江守護であった斯波義廉に味方し、今川氏側と対立。文明8年(1476)に攻められ、落城したとされています。
もともと、横地場は、東の城、中の城、西の城などで構成されていました。現在は、それらを形成する曲輪、土塁、堀切、空堀の遺構が残存。特に東の城にある本丸・金寿丸の遺構は良好な状態で残っており、貴重な城跡として、国の史跡である「菊川城館遺跡群」の一部として管理されています。
立派な横地城の姿を観れるわけではありませんが、周辺は御前崎遠州灘県立の自然公園になっています。豊かな自然が保全されており、憩いのひと時を過ごしながら、歴史の奥深さに浸ることができますよ。

【お問い合わせ】
0537-73-1114
※菊川市社会教育課
【アクセス】
電車:
JR「菊川駅」からタクシーで約15分
【駐車場】
有り
普通車30台
【ウェブサイト】
常葉美術館
近世・近代の貴重な美術品が眠る、展覧会限定の美術館
展覧会が開催される時のみオープンする「常葉美術館」。
常葉短大と菊川高校の美術・デザイン科開設5周年を記念して、昭和52年に開館しました。
所蔵されているのは、常葉学園長と初代名誉館長が約40年に渡って収集した美術品。例えば、平野夕映え」などの洋画で知られる「曽宮一念(そみやいちねん)」、江戸時代の武士であり画家でもあった「渡辺崋山(わたなべかざん)」など、近世・近代に手掛けられた貴重な作品が収められています。
残念ながら常設展示はされていませんが、1年を通して展覧会を開催しています。常葉短大・高校の美術・デザイン科に所属する生徒たちの卒業制作展をはじめ、所蔵されている作品にあやかったテーマをもとに、美術品の奥深さを感じることができますよ。
普段の生活の中で、あまり馴染みのない美術の世界。
ふらりと立ち寄ったとき、常葉美術館の作品と運命的な出会いを果たせるかもしれません。
【お問い合わせ】
0537-35-0775
【営業時間】
9:30〜17:00(入館は16:30まで)
※特別企画展のみ(展覧会によっては変更あり)
【定休日】
木曜日
【利用料金】
有料
※展覧会によって異なる
【アクセス】
電車:
JR「菊川駅」から徒歩約15分
車:
東名高速道路「菊川IC」から北へ約5分
【駐車場】
有り
10台
【ウェブサイト】
石山公園
噴火石で形作られた公園で憩いのひと時を満喫
東名高速道路「菊川IC」から車で約25分。
名前の通り、噴火した石の山で形成されているのが「石山公園」です。
御前崎遠州灘県立自然公園の一部に指定されている、自然豊かな公園。
菊川市民にとって憩いの場となっていますが、観光客にとっても、隙間時間にほっと一息つける場所として活用したいスポットです。高い場所からの眺めもよく、天候に恵まれれば、北には南アルプス、北東には富士山、南には遠州灘、西には高天神を望むことができます。
また、周辺には季節の味覚を楽しめるスポットも点在。
例えば、観光農園「ブルーベリーの郷」は、旬を迎える夏場になるとブルーベリーの摘み取りを体験でききます。摘み取り用、加工用、合わせて30種類のブルーベリーが栽培されており、年間3万人以上が訪れる人気ぶり。手作りのジャムやジュースも購入できますよ。

ブルーベリーの郷
【お問い合わせ】
0537-73-6636
【営業時間】
シーズン(6月〜8月)
9:00〜16:00(無休)
オフシーズン(9月〜5月)
9:00~16:00(木曜日定休)
【利用料金】
シーズン(6月〜8月)
・お土産パック付き
大人(中学生以上):1,400円
子ども(小学生まで):1000円
・お土産パックなし
大人(中学生以上):1,200円
子ども(小学生まで):800円
※3歳以下無料
オフシーズン(9月〜5月)
入園料無料
雨天セット入園
大人:1,200円
子ども:800円
※休憩所にて生果実、ケーキまたはアイスとサワージュースをお召し上がりいただけます。
【アクセス】
車:
東名高速道路「菊川IC」から県道37号線を南下、約15分
【駐車場】
有り
【ウェブサイト】
火剣山キャンプ場
菊川市の最高峰で豊かな自然に包まれる
菊川市と島田市の境目にある火剣山(ひつるぎさん)。標高約282mの山で、かつては徳川家康が城攻めの拠点として砦を築いた場所としても知られています。
そんな火剣山の参道に整備されているのが「火剣山キャンプ場」。
バンガローが5棟、オートキャンプサイトが10区画、設けられているシンプルな作り。施設は日帰りでも利用でき、キャンプ場を拠点に火剣山の自然美を堪能できます。
例えば、キャンプ場から15分ほど登った先にある山頂展望台。
菊川市の絶景スポットとして有名で、南に遠州灘、西に浜松市街、北に南アルプスや牧之原台地、そして眼下には広大な茶園を観ることができます。天気の良い日には富士山も望むことができますよ。

特におすすめなのが春と秋。春には桜が咲き誇る花見スポットとして、秋には深緑が鮮やかに色付く紅葉スポットとして人気です。
また、特別天然記念物に指定されている「カモシカ」が生息しており、運が良ければその姿を見せてくれるかもしれません。豊かな自然美に包まれながら、キャンプ場でゆっくりと過ごしてはいかがでしょうか。

【お問い合わせ】
0537-35-0936
【営業時間】
日帰り
9:30~15:30
宿泊
16:00~9:00
【利用期間】
バンガロー(5棟)
4月~10月末日
キャンプサイト(10区画)
通年
【利用料金】
バンガロー
1泊/1棟2370円+入場料(小学生以上1人100円)
日帰り /1棟1180円+入場料(小学生以上1人50円)
キャンプサイト
1泊/1棟1080円+入場料(小学生以上1人100円)
日帰り /1棟530円+入場料(小学生以上1人50円)
【アクセス】
車:
①東名高速道路「菊川IC」から約20分
②JR「菊川駅」から車15分
【駐車場】
有り
無料(10台)
【ウェブサイト】
http://www.city.kikugawa.shizuoka.jp/shoukoukankou/yagaishukuhaku.html
いかがでしたか?
今回は、静岡県菊川市の観光名所を5箇所ご紹介しました。
今川氏、武田氏、徳川氏など、室町時代から江戸時代にかけて、数々の史実の舞台となったスポットも点在しています。いずれにしても、東遠地方の豊かな自然に包まれており、歴史の知識を深められると同時に、長閑なひと時に癒されることでしょう。掛川市や牧之原市など、他の地域を訪れる途中に、ふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。